国連世界観光機関は、インバウンドに関連した統計を分析してレポートしています。観光客到着数や観光収入もこちらで確認できます。訪日外国人旅行者数の動向を分析する上で、このデータをもとに、世界の人々が今後どのように海外旅行するのか、予測を立てることが重要です。

 世界における観光客到着数は伸び続けています。全体に占める地域の割合は、ヨーロッパが首位です。ヨーロッパは陸続きの国々で構成されており、移動がスムーズであること、EUの政策によって国家間移動の障壁が小さくなっていること等が影響しています。他方、伸び率をみると、米州がトップ、続いてアジア太平洋地域が位置します。東南アジアには及びませんが、日本を含めた東アジアも好調です。

 外国人旅行者は、訪れた国で宿泊、交通、飲食、施設利用、土産物等に消費します。到着国にとっては、これらは外貨収入に該当します。この観光収入が多い国は米国です。次点にスペインや中国、フランス、英国等が並び立ちます。これらの国々は必ずしも受入数上位国と一致しません。同じ滞在日数でも、国が異なれば一人当たりの消費額も異なるためです。    

外国人旅行者は、滞在中に様々なインフラを利用しますが、ゴミも生み出します。また旅行者を誘致するためには、様々なプロモーションに費用が掛かります。コストとベネフィットを勘案した上で、インバウンド政策を実現していく必要があります。実は日本でも戦前に、国際収支の悪化を改善する方策として、外国人旅行客の誘致が検討されていました。例えば米国の有名雑誌に広告を掲載したり、海外の記者を招いたりもしました。とはいえ、当時はまだ産業としては軽視されていたのも事実です。