これまでの訪日外国人

戦後の日本において、効率よく外貨を稼ぐことができるのがインバウンド観光でした。また、戦中に海外に根付いた悪いイメージを払拭するためにも、外国人を招待することは急務となりました。1960年代の訪日旅行客は欧米が中心でした。ちなみに海外を訪れる日本人は増加途上にあったものの、今と比べれば少数でした。1970年代には東京五輪に続いて万国博覧会が開催されたことも手伝い、訪日旅行客の人数は急増しました。同時に、東京以外の地方にも訪問地が広がり始めました。1980年代は伸び悩んだ時期に当たります。プラザ合意以降、円高基調となったためです。他方、アジアの経済成長が著しかった時期でもあるため、訪日外国人に占めるアジア人の割合が増えたのも80年代です。またこの時期はインバウンドよりも、アウトバウンドが重視された時期でもあります。貿易摩擦が深刻になり、国際収支の黒字を減らす必要が生じていたからです。

 1990年代以降、世界の旅行者が目指すアジアは日本に限られなくなりました。経済大国という看板を使えなくなった今、より詳細に外国人旅行者の動向を分析する必要があります。旅行客の地域別割合としては、ほとんどを東アジアの国々が占め、欧米の中では米国が最大です。旅行者数を月別で見ることも欠かせません。ビジネスでの訪日はともかく、観光客としては、訪問地の魅力を感じやすい時期に旅行計画を立てるからです。従ってインバウンド関係者はこの月別データをたよりに、繁忙期と閑散期との差を如何に小さくできるかに傾注することになります。

 訪日旅行者数の増加要因としては、近隣諸国の経済発展をまず挙げられるでしょう。減少要因としては、イベントリスクや円高、日本文化への「飽き」等が考えられます。訪日旅行者の特徴としては、団体ツアーではなく、個人旅行者が増加している点を見逃せません。個人旅行者の動向は捉えにくく、SNS等を通じたビッグデータの分析も鍵になります。

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